VANOSソレノイドバルブとは?システム概要と働き
こんにちは、コプリンです。
つい先日の事ですが、エンジンチェックランプが点灯しまして..
そろそろ来るかな?と予兆はありました!
結論から申しますと「VANOSソレノイドバルブ」があやしい、と推測しての交換作業です。
故障診断ツール「BimmerLink」、を使用しての推測です!
【VANOSソレノイドバルブシステムとは?】
クルマの様々なパーツの働きには、いつも関心します!
こんな時は交換を考えよう!不調の兆候と症状
【VANOSソレノイドバルブ不調時の主な症状】
- エンジンチェックランプの点灯
- アイドリング不調
- ギア変速タイミングが不規則(AT)
- 急なハンチング(エンジン振動のバラつき)
- 排気ガスの異臭
ザっと感じられた、不調の症状はこんな感じ!
MINIのエンジン不調では、代表的な症状ですね。
不調症状は大きく走行を妨げるものではありませんでしたし、「VANOSソレノイドバルブの不具合」と特定するのは難しいです。
ただVANOSソレノイドバルブの不具合で症状が酷くなると、”エンジンストール”も起こりえるので早めの予防整備が望ましいでしょう。
との結論で、交換作業します!
MINI R56 のVANOSソレノイドバルブ交換方法
様々なOEMパーツの中から、選んだのはこちら!
純正パーツは、約20,000円~と、少々割高かと!
VANOSソレノイドバルブ交換で使用した工具
【最低限必要な工具類】
- マイナスドライバー
- ラチェットハンドル
- ソケット(7㎜、10㎜)
- エクステンションバー(100㎜∼150㎜)
- トルクスドライバー(T-20)
- プライヤー
あると便利な工具類は、作業しながら紹介します!
エアクリーナーボックスの取り外し
エアクリーナーボックスは”ボックスのみ”取り外しで作業できますが、”ダクトホースから全体”取り外す方が作業しやすいと思います。
上記写真5か所を、取り外していきましょう!
❶ではタービンとインテークホースを切り離しますが、ホースバンドをマイナスドライバーで緩めるだけです。
エンジンルーム内を整備していると頻繁に取り外しする箇所ですから、樹脂ホースを傷めないように気を付けたいですね。
❷では、指で軽く摘まんでセンサーを抜き取ります。
❸でブローバイホースを抜き取り、軽く引っ張れば抜けます。
❹のトルクスネジ(T-20)でボックスは固定されているので、ドライバーで取り外しましょう。
ボックス下赤○部分にピンで2つ固定されているので、上に引き上げて抜き取ります。
赤○部分に外気を引き込むホースと結合されているので、少し捻じる様にエアクリーナーボックスを抜き取りましょう。
広々と、作業できそうですね!
エアクリーナー交換等作業頻度の高い場所ですから、取り外し方法を覚えておくと便利ですよ。
ダクトホース類の取り外し
最初に、ホースを抜き取りましょう。
赤→部分を指で摘まむと、スッと軽く抜けます。
ようやく赤○部分に、VANOSソレノイドバルブが見えてきましたね。
まだバルブの取り外し作業はできないので、クリアランスを確保しましょう。
上記写真のダクトホースを、取り外していきましょう。
❶はホースバンドで固定されていて、ここではマイナスドライバーで緩めましょう。
ダクトホースの抜き取りは、❷を外して緩んでからの方が簡単になります。
❷は針金のようなホースクリップで固定されているので、マイナスドライバーでこじって取り外ししましょう。
ホースクリップは、こんな形!
取り付け時の為に、形状と方向を覚えておいて下さいね。
その下のホース分岐も、取り外しが必要です!
❶、❷共にホースバンドで固定されているのですが、狭いのでマイナスドライバーでは作業が難しいでしょう。
7㎜のソケット、小さなラチェットで作業します。
MINIは、狭いスペースでの作業が多いですね..
バルブの取り外し作業を、開始しましょう!
インテーク側のVANOSソレノイドバルブ取り外し方法
VANOSソレノイドバルブの交換作業自体は単純なのですが、「狭く見えにくい場所で、固着のあるモノを抜き取る」のが問題になってきます。
経験豊富で工具も揃っている整備士さんなら、簡単なんでしょうね。
【VANOSソレノイドバルブ交換の難易度】
作業箇所 | 難易度 | 備考 |
カプラー取り外し | ◎ | コツさえ掴めば簡単に |
固定ボルト取り外し | 〇 | 場所の把握と、ボルトを落とさない工夫 |
ソレノイドバルブ抜き取り | ー | 固着具合によって異なる |
「バルブの固着」に関しては個体差があるので一概に言えませんが、わたしの場合は”ハズレ”を引いたんでしょうね。
VANOSソレノイドバルブ抜き取りだけで、1時間かかりました..
それぞれの作業で感じたコツもありましたから、順をおって作業していきましょう。
カプラーを取り外す
カプラーを外す時はいつも苦労していますが、VANOSソレノイドバルブの場合は比較的簡単でした。
手探りで場所の把握と、固定フックの形状を認識します。
カプラーの固定フックはエンジンに向かって下側(地面側)にありますから、マイナスドライバーを赤↑部分に差し込んでフックを浮かせます。
弾力のある樹脂製固定フックなので、こじればスッと抜き取れます。
初めての作業が順調に進むと、嬉しいですね!
バルブ固定ボルトを取り外す
固定ボルトは、見えない場所にあるんでね..
鏡を使っておおよその場所は見えますが、スペースがないので結局手探りで作業する事になると思います。
「VANOSソレノイドバルブ」と相関して、「固定ボルトの場所」を把握しましょう。
赤○部分が”VANOSソレノイドバルブ”で、エクステンションバーの先赤↓部分に”固定ボルト”があります。
ソケットは、10㎜を使用します。
エクステンションバーは150㎜を使用しましたが、取り回しは良くないですね。
100㎜∼120㎜程度が、作業しやすいと思います。
手探りでボルト頭に嵌める作業になるので、”首振りタイプのジョイント”があると便利でしょう。
”ボルト頭を捉えてから”、ラチェットハンドルを差し込んでボルトを回します。
固定ボルトは小さいトルクで止まっているので、ハンドルは最初だけ使って”手回しで作業”した方が効率良いでしょう。
ボルトを落とさない様に、注意して作業!
ソケットを回しながら指でボルトを支える様にして、滑落を防ごうとしましたが..
それでもわたしは、ボルトを落としました..
で結論なんですが、「マグネットタイプのソケット」は持っておいた方が良いですね。
使用頻度の高い、10㎜ソケットだけでもね!
”固定ボルトの場所把握”と”マグネットソケット”を準備すれば、比較的簡単に作業できますので。
ここも順調に作業進捗、イイ感じでした!
VANOSソレノイドバルブを引く抜く
そしてVANOSソレノイドバルブを引き抜いて交換すれば、作業完了なのですが..
ある程度予測してましたが、ビクともしません..
プライヤーで軽く摘まんで、抜き取りを試みますが..
回転はするのですが、ビクともしません..
潤滑油をさしたりしながら、約1時間の作業の結果..
やっと抜けました、歓喜の瞬間ですね!
クルマをいじっていると、固着に悩まされる場面は多々ありますよね。
押したり引いたり、回したりと、慌てずに作業するのも一考です。
急いで作業して、破損やケガの無いようにね!
新しいVANOSソレノイドバルブを取り付ける方法
新旧のVANOSソレノイドバルブを並べると、フィルター部分に形状の違いがありますが対策品のようです。
ここでは詳しく触れずに、取り付け作業を紹介しますね。
取り外してみると、そこまで大きな汚れは付着していませんね。
勿体ない気もしますが”予防整備”です、新しいバルブに交換していきましょう。
【自動車パーツ、”予防整備”のメリット】
コイルやプラグ等も積んでおくと、安心できますね!
VANOSソレノイドバルブを差し込む
取り付け作業では固着がありませんから、サクッと作業できますね。
Oリングに保護オイルを塗布しましょう、マニュアルみたいなモノです。
MINIに乗っている方だと分かりますよね、樹脂ガスケットやOリングの劣化は少しでも避けたいモノですよね。
VANOSソレノイドバルブを差し込むのですが、「真っすぐにカチッと音がするまで」押し込んで下さい。
ボルトの固定穴を合わせないといけないのですが、赤→方向(時計回り)いっぱいに回転させて下さい。
アタリがあるので、そこでボルト穴は貫通します。
ボルト固定とカプラーを差し込む
マグネットソケットだとボルトを落とす心配もないので、楽に作業できますね。
取り回しに気を付けて、最後にラチェットハンドルでトルクをかけます。
カプラーを忘れずに、差し込んでおきましょう。
ホース類、エアクリーナーボックスを元に戻す
ダクトホース類を元通りに組み上げて、ホース類も忘れずに差し込みましょう。
エンジンルーム内でも振動の多い場所ですから、しっかりと固定を確認して下さいね。
エアクリーナーボックスを元に戻せば、交換作業は完了ですね。
固着の無い事を祈ります..、お疲れ様でした!
VANOSソレノイドバルブ交換後のエンジンの変化は?
エンジンの各パーツは複雑に複合的な働きをしていますから、ひとつのパーツ交換での影響をはかるのは難しいですね。
VANOSソレノイドバルブが完全に故障したわけではなくて、あくまで予防整備の範囲ですし。
劇的な変化はありませんでしたが、それでも体感できる変化はあったので紹介しますね。
アイドリング時の変化
- 圧倒的なエンジンの静寂性
- ノッキングの減少
エンジンの静寂性
大きく良化しました!
アイドリングが不安定だと、運転していても楽しくないですよね。
エンジンの振動減少は車内からでもわかるレベルで良化、一番体感できる変化でした。
ノッキングの減少
”良化の傾向がみられる”、といった程度です!
エアコンコンプレッサーの使用頻度が高まる季節(6月初旬)でしたので、もうしばらく経過を観察してみますね。
走行時の変化
- アクセルレスポンスの向上
- エンジンの吹け上がり良化
アクセルレスポンスの向上
MINIを運転を楽しむには、大切な部分ですね!
こちらも”大幅な変化とは言えませんが”、体感できる良化はありました。
エンジンの吹け上がりの良化
エンジンレスポンスの良化も、感じられます!
全般的に良化傾向の症状は、点火系統(イグニッションコイル、スパークプラグ、インジェクター)の交換整備の時に似てますね。
逆に言うと「VANOSソレノイドバルブ交換」で上記不調が改善しない場合は、点火系統のパーツ不良を疑う事もできるでしょう。
どちらも交換作業は比較的簡単なので、一考の余地ありです!
まとめ
【VANOSソレノイドバルブ交換方法概要】
エアクリーナーボックスの取り外し |
↓ |
ダクトホースの取り外し |
↓ |
(VANOSソレノイドバルブ)カプラーを抜く |
↓ |
(VANOSソレノイドバルブ)固定ボルトを抜く |
↓ |
(VANOSソレノイドバルブ)本体を引き抜く |
↓ |
(VANOSソレノイドバルブ)新品交換、取り付け |
作業難易度は、VANOSソレノイドバルブの”固着具合”に大きく依存しますね。
準備を整えてスムーズに作業できれば、それほど難しい作業ではないでしょう。
エンジンチェックランプが点灯した場合は?
作業後のテストドライブで不調の改善がみられても、エンジンチェックランプは消えない場合がほとんどですね。
チェックランプはディラーやショップで消去できますが、それだけで工賃支払うのも如何なものかと。
今後も自主点検整備を考えている方には、おススメ!
OBD2端子接続故障診断アプリ「BimmerLink」、日本語訳対応で非常に便利です。
それではまた次回!!
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